SDGs経営で新規事業を創ろう 第5章:ビジネスモデルを考えよう
こちらは前回の記事の続きです。前回の記事をご覧いただいてからお読みいただくと、さらに理解が深まります。
前回の記事
最初から読む
第5章:ビジネスモデルを考えよう
SDGsの目標を達成するための取り組みは複雑で、多くの要因が絡み合います。
ロジックモデルは、その取り組みの背後にある仮説や関連性を明確にし、組織内外での共通理解を築くための有効なフレームワークです。
ロジックモデルとは
ロジックモデルは、事業やプロジェクトのインプット(入力)、アウトプット(出力)、成果、影響などの各要素をシステマティックに関連づける図的なツールです。
具体的なアクションとその結果の関係性を可視化することで、計画、実施、評価の各フェーズでの意思決定をサポートします。
ロジックモデルはSDGsの取り組みにおいて、各目標とその達成に向けた具体的な行動やリソース、期待される成果などの関連性を明示するのに役立ちます。
一連の関係性を一目で分かるようにしたものがロジックモデルです。
アウトプットとしてサービスや商品が誕生すれば、その結果、利用者や周りの環境に変化が生じるはずです。
こうして、生じた二次的な結果・行動を「アウトカム」と言います。
アウトカムにつなげるヒントは、カンタンに言うと 「良い方向に転ぶ話を考えていく」ということです。
新しい商品を得た結果、お客様が満足して次にどのような行動につながっていくか、ということが大事です。
再度、クリーンな水と衛生(Goal 6)の達成に向けたプロジェクトを考えたとしましょう。
必要な資金、技術、人材(インプット)から実際の浄水施設の建設や教育プログラム(アウトプット)、それによる地域住民の健康状態の改善といった一連の流れをロジックモデルで可視化することができます。
結果、アウトカムとして次のようなものが考えられます。
①社会経済的向上
浄水施設が整い、教育プログラムが行われた結果、地域住民が安全な水にアクセスできるようになります。
これによって、水関連の病気が減少し、それが労働力の向上につながる可能性があります。
②教育への参加率向上
安全な水と衛生環境が整ったことで、特に女性と子供が学校に通いやすくなる可能性が高まります。
これによって、教育への参加率が上がり、その結果として、社会全体の教育水準が向上するでしょう。
③地域コミュニティの強化
地域住民が一緒に浄水施設の維持管理や教育プログラムに参加することで、地域コミュニティが強化される可能性があります。
④環境の保全
安全で持続可能な水利用が促進されることで、水源地の保全も進む可能性があります。
これは、持続可能な地域社会を形成するための重要なステップとなります。
アウトカムは自由な発想で、どんどん膨らませることができます。
一人の行動では影響は小さいですが、 複数の賛同者が賛同するのなら、それだけ多くの人が満足される結果となり プロジェクトの成功につながります。
またサプライヤーにおいても新たな設備や投資や、雇用拡大につながっていくことが考えられます。
プロジェクトの成功を測る最も重要な指標の一つです。
短期的な出力や成果も重要ですが、それがもたらす長期的・持続的な影響に注目することで、真に持続可能な開発が可能になります。
上記の例で挙げたクリーンな水と衛生(Goal 6)に対する取り組みは、その典型的な例です。
このようなアウトカムを明確にすることで、より効果的なSDGsビジネスを創出する道が開かれます。
こうして生まれた商品やサービスがどのようなお客さんに喜ばれ、支持されていくのか、 具体的なイメージが持てるようになります。
「WHY」 をビジネスモデルにするということに触れましたが、あなたがなぜ、この仕事をするのか(または、したいのか)を出発点にビジネスを創出するということは、間違いなくあなたがワクワクする取り組みになるでしょう。
想像力を発揮して、そのサービスがどう発展して、どんな世界が広がっていくのか、自由に描いてください。
ちょっとしたコツを知ることで、小さな会社もSDGsの新規事業を立ち上げられることをご理解いただけたでしょうか。
御社のビジネスにSDGs 経営を取り入れて、持続可能な社会を創っていくチャレンジは、きっと未来の子どもたち、地域社会、世界にとって価値あるものとなるでしょう。
ブルージョブズ 株式会社は SDGs経営を取り入れた新規事業の構築サポート他、 SDGs経営の伴走支援を行っています。ご質問 ご相談、お気軽にお寄せください。