中小企業の新たな挑戦【未来を変えるSDGs経営】 第1章 SDGsとは?ビジネスとの新たな結びつき

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第1章 SDGsとは?ビジネスとの新たな結びつき

今、世界中の経営者が注目するキーワード、それが「SDGs」です。

これを無視したビジネスは、今後のグローバルな経済社会で存在価値を高めていくことは難しくなるでしょう。

また、SDGsの正しい理解は、経営の先端を行くリーダーだけでなく、これからの時代を生きるすべてのビジネスパーソンにとって必須と言えます。

企業戦略として考えるSDGs経営とは?

2015年の国連総会で、世界のリーダーたちが一堂に会しました。

この結果、2030年までの持続可能な開発のための新たな指針として、SDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)が誕生しました。

驚くべきは、参加した193ヵ国が全会一致でこの目標を採択したことです。

これは、地球規模のさまざまな課題を解決するための共通の理念と方向性を、国境や文化、経済格差を超えて示すものとなりました。

SDGsは、17のゴールからなります。

この中には「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」「清潔な水とトイレをみんなに」など、私たちの日常生活から環境問題まで幅広く取り組むテーマが含まれています。

そして、それぞれのゴールには細分化された169のターゲットが設定され、具体的な取り組みや達成基準が明示されています。

SDGsは、単なる「道徳的な指針」や「理想的な目標」ではありません。

それは、世界共通の成長戦略として捉えるべきものであり、経営層にとっては、今後のビジネス戦略を練る上で無視できないファクターとなっています。

しかし、この点で注意が必要なのは、単にSDGsのロゴや言葉を使うだけの「SDGsウォッシュ」は避けるべきだということです。

実際の取り組みや、戦略としてSDGsを自社の経営に組み込むことが重要です

そして、ビジネスの側面からみれば、前述した169のターゲット(https://www.asahi.com/ads/sdgs169/result/)は見逃せません。

なぜなら、それぞれのターゲットには新しい市場やビジネスチャンス、または既存ビジネスのリスクを低減するヒントが含まれているからです。

この記事を通じて、中小企業がSDGsをどのように取り入れ、持続可能な経営に生かすかのヒントを探ります。

未来のビジネス環境を先取りし、持続可能な経営を目指すすべての経営者に、SDGsの深い理解とその適切な活用をおすすめします。

SDGsのビジネスニーズは急拡大

時代の変遷とともに、企業が直面する社会課題も変わりつつあります。

特に近年関心が高まっているのが、気候変動です。

海面上昇、猛暑、大雨など、異常気象の増加は、全世界で深刻な問題となっており、企業の事業戦略にも大きな影響を与え始めています。

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こうした背景から、企業が「社会価値」と「経済価値」の創出を両立させるCSV(Creating Shared Value)の考え方が注目されるようになってきました。

CSVとは、社会の課題解決をビジネスのチャンスとして捉え、その解決を通じて企業価値を高める考え方です。

SDGsの目標の多くは、このCSVの考え方と合致しており、ビジネスの新たな方向性として位置づけられています。

また、気候変動リスクへの対応として、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)が国際的に注目されています。

これは、企業が気候変動に関するリスクと機会を金融的観点から明らかにし、情報開示を行うことを推奨するものです。

多くの先進国では、上場企業に対してTCFDに基づく非財務情報の開示が法令として求められる動きも出てきています。

このような国際的な取り組みの背景には、消費者の意識の変化があります。

特にエシカル消費の拡大は著しく、商品やサービスを選ぶ際、その製造過程や企業の取り組みを重視する消費者が増えてきました。

エシカル消費とは?
消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと。(引用:消費者庁)

これは、企業のブランド価値や信頼性が、今後の競争力を左右する重要な要因となることを示唆しています。

さらに、これらの動きはサプライチェーン全体に影響を及ぼすことが予想されます。

大手企業を中心にSDGsやCSV、TCFDなどの取り組みが進む中で、中小企業や取引先もサステナビリティを重視した取引が求められていきます。

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結果として、SDGsは企業の経営において無視できない要素となってきているということです。

気候変動対策、CSVの考え方、TCFDの推奨など、様々な要請や取り組みが企業に求められており、これらを戦略的に取り入れることで、未来の競争力を築くことにつながります。

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